ケース#2 - 自分の限界を知る


ある若い男性が、ガールフレンドとの関係で問題を抱えていました。彼は彼女との関係を続けることを強く望んでいました。一方、彼女は、彼を愛しているとは言ったものの、彼に対する興味を失いかけていて距離を置きたいようです。 彼は二人の関係において、彼自身があまり力を及ぼすことができず苛立っていました。それはテニスに例えれば、ボールが彼女側のコートにあるような感じです。彼女は「何をしたいのか」が明確ではなく、何も決められない様子です。彼は「彼女に対して望んでいること」が叶いそうにないので、どうしたら良いか分からなくなっていました。 そこで、彼が二人の関係において「何者」であるかということを探してみることにしました。ゲシュタルト療法では、解決法を見つけることは重要視せず、クライアントがさらに自分自身に気がつくということにフォーカスします。鍵となるのは様々な状況下での「あなたは何者か?」という質問です。 二人の関係において、彼にはあまり選択の余地がない状態ですが、まずは、彼自身の「境界線」を見つけることにします。自分自身を知るということは、境界線をはっきりさせることが大きく関係するからです。 私は彼に、次のような質問を投げかけてみました。 彼女との繋がりにおいて最低限十分な関わり方は、どのくらいですか? 我慢できなくなって別の女性に移るまで、どのくらい待てますか? 彼女との関係で期待する繋がりは、どのくらいですか? 長期の関係で望むものは何ですか? 現在の薄い関係が続く中で、どのように自分自身に限界とルールを設定して、また彼女にも限界とルールを設定してもらいますか? 限界を特定することで、彼は自分が二人の関係において「かまってちゃん」であることが分かりました。 ゲシュタルト療法では境界線を知ることで、本当は何がしたいかという「本心」を探り当てることができます。歪んでしまった境界線を理解するには、いくつかの方法があります。本当の境界線を見つけることで、クライアントさんがどのようにしてバランスを崩してしまったかを理解することができます。そして、クライアントさんが恋愛関係で自分らしさを出せるように、気づきをもたらすことができるのです。



 投稿者  Steve Vinay Gunther